脳の病気について

顔面けいれん・三叉神経痛

帝京大学 脳神経外科では、低侵襲治療を第一に掲げ、患者さんの体の負担を抑え最大限の治療効果を発揮すべく、内視鏡、外視鏡、カテーテル(血管内治療)、顕微鏡を駆使して治療を行ってきました。ここでは、宇野准教授が中心となって行っている、三叉神経痛・片側顔面痙攣に対する、微小血管減圧術の治療のご紹介をさせていただきます。
微小血管減圧術とは、「Keyhole surgery」と言われ、極めて小さな骨の穴から行う、三叉神経痛片側顔面痙攣に対する根治手術です。三叉神経痛や顔面痙攣は生活の質を著しく損なうことのある疾患であります。しかしながら、治療を受けることで、元の生活を取り戻すことのできます。ここでは、これらの疾患の詳しい病態と治療方法等について、解説していきたいと思います。
帝京大学ではこれまで、全国的にみても微小血管減圧術を数多く行ってきており、良好な治療成績を得ています。現在は、これまでの顕微鏡に内視鏡を組み合わせることでより低侵襲かつ高い治療効果の得られる治療となっています。

症状

三叉神経痛の症状
顔面に電気が走るような激しい痛みが比較的短時間、繰り返して起こります。範囲は頬から顎の痛みが多く、食事や洗顔などで痛みが誘発されることもあります。
片側顔面痙攣の症状
はじめは片側眼瞼周囲のけいれんに始まり、徐々にけいれんの頻度が増して、口角へと広がります。

原因

画像三叉神経や顔面神経が脳血管によって圧迫されることで起こっているものが多くあります。加齢によって血管が屈曲蛇行し、神経を圧迫するようになると考えられています。

治療

三叉神経痛にはカルバマゼピンやプレガバリンなどで治療を開始しますが、徐々に効果が減弱したり、薬の副作用でふらつきが出たりすると継続困難となります。
片側顔面痙攣にはボトックス注射も行われますが、効果は一時的で、顔面麻痺や筋委縮を引き起こすことがあります。

画像根治治療としては、神経圧迫の原因血管を移動させる微小血管減圧術(神経血管減圧術)があり、90%以上の患者さんに効果を認めています。
手術は耳の後ろに5cm程度の皮膚切開を置き、10円玉程度の穴から手術を行っています。帝京大学附属病院で行われている微小血管減圧術の特徴は、内視鏡を駆使することで、小さな開頭ながら、広い視野の下で安全な手術を行っていることにあります。

画像画像

合併症は少なく、術翌日には病棟で制限のない生活が可能です。
「顔面の痛み」や「顔面のピクピクとした痙攣」でお困りの方、帝京大学医学部附属病院 脳神経外科 三叉神経痛・顔面痙攣外来にご相談ください。

予約および問い合わせ先

帝京大学医学部附属病院 医療連携室
平日 8:30~17:00
TEL.03-3964-1498(直通)