入局・研修案内

下垂体・神経内視鏡センターでの研修

最先端の神経内視鏡手術をマスターする下垂体・神経内視鏡センターでの研修

帝京大学医学部附属病院では、全国にさきがけ、2017年より下垂体・内視鏡手術センターを開設し、下垂体腫瘍の患者さんのみならず、髄膜腫や神経鞘腫、脊索腫、軟骨肉腫などの頭蓋底腫瘍の患者さんに対しても、安全かつ効果的な内視鏡手術を積極的に行っています。さらに頭蓋底腫瘍に対する新たな手術法を開発し、学術論文として国際誌にも発表しています。従来は、脳を圧迫しながら、限られた視野のもとで行われていた脳神経外科の頭蓋底手術が、神経内視鏡を用いることで、頭の中からの広い視野の下で、安全かつ容易に手術を行うことができるようになっています。こうして、脳の損傷を最小限に抑えて、脳深部の広い範囲へ伸展した腫瘍も、直視下に切除することで、さらに安全な手術が可能となっています。

開頭せず、鼻腔を経由して脳深部に到達、神経内視鏡下頭蓋底手術

当院では、下垂体腺腫や頭蓋底腫瘍に対して、開頭せずに鼻腔を経由して腫瘍の切除を行う、内視鏡下経鼻頭蓋底手術を積極的に行っています。この手術法では、脳に圧迫を加えることなく、深部に存在する病変に直接、脳の底面から到達することが可能であり、開頭手術と比べ、患者さんの体の負担が少なく抑えられています。

現在まで、下垂体腫瘍に加え、頭蓋底に発生し脳神経を巻き込んで発育する、髄膜腫や頭蓋咽頭腫に対しても、この手術法を応用し、良好な治療成績を達成しています。さらに、頭蓋底脊索腫や軟骨肉腫など、一般に安全な切除が難しいとされる疾患に対しても、内視鏡手術により、徹底切除と症状改善の両方を達成しています。当院では、特に頭蓋底腫瘍について、全国から患者さんを紹介いただいており、国内でも有数の手術件数を有しています。研修の間に、こうした最新の神経内視鏡手術に参加し、最新の技術を修得することができます。

脳腫瘍に対し、小さな開頭で行う内視鏡下低侵襲手術

頭蓋底手術以外にも、内視鏡を使用することで、脳深部の脳腫瘍の手術が、小さな開頭で行えるようになります。内視鏡を利用して、脳の中に入り、病変を観察することで広い視野のもとで、安全な手術が可能となります。また、脳深部に発生する腫瘍や、脳室内の腫瘍では、特に手術が容易になり、特に効果的です。患者さんの体の負担を抑えた、低侵襲な内視鏡手術により、小児から高齢者まで、速やかな回復が期待できます。当院では、良性、悪性を問わず脳腫瘍の手術症例が多いため、こうした最新の低侵襲脳手術についても、修得可能です。