入局・研修案内

脳卒中センターでの研修

脳卒中診療におけるあらゆる治療の選択肢を修得 脳卒中センターでの研修

脳卒中センター


Alphenix Biplane

急性期の脳卒中では、短時間のうちに診断を行い、患者さんの家族に説明と並行して治療の準備を進める必要があります。帝京大学では、脳卒中の患者さんが来院された直後から一段落つくところまで、脳神経外科と脳神経内科が協力して診療おこなっており、研修中に脳卒中 症例が来院しても過度なストレスがかかることがなく、安心です。遠隔診療支援も活用しながら、診断・治療のスタンダードを修得できるようにしています。一段落ついたあとは、脳出血や、カテーテル治療を行った脳梗塞を脳外科で担当し、その他の症例は脳神経内科が担当するように分担しています。また、脳出血に対して、内視鏡による低侵襲かつ迅速な血腫除去術を推進しています。また、脳梗塞に対しては血管内治療を行い、どんな血管でも再開通させる様々な技術を是非修得してください。

血管内治療

当院は日本脳神経血管内治療学会(JSNET)の認定研修施設です。JSNETには、専門医制度があり、血管撮影200件と血管内治療100件の経験後に、筆記試験と実技試験をへて認定されます。血管内治療を初めとする低侵襲治療は、短期間で修得できるという点がメリットです。合併症は稀ですが、生じると重篤化し易いというデメリットもあります。このため、JSNETの専門医認定試験は厳格な審査が行われ、合格率は60%程度です。専門医試験を通過するためには、国内で標準とされる手技や考え方を身につけねばなりません。 脳血管内治療のスタンダードを発信し続けている当院は、脳血管内治療の研修施設として理想的な病院の一つといえます。血管内治療の設備として、最先端の血管撮影装置(Canon製Alphenix Biplane)を備えています。当院独自のX線透視画像と生体モニター、術者の姿や手元操作、さらには術中の音声を一括記録するシステムは世界随一であり、手術中の空気感とともに術中判断や手元操作を記録することが出来ます。指導医の手術を学ぶのに役立つだけでなく、自分の操作を振り返ることを可能にするこのシステムは、驚異的なスピードで血管内治療を修得するのを可能にしています。

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術者の姿や手元を記録する4Kカメラと遠隔操作用コントローラー
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世界最新の血管内治療記録システムで収録された映像。手術現場の全てを、音声と共に全て記録しており、術後に手技を復習することで、技術のレベルアップに大いに貢献します。

最も繊細な手術操作を修得: 顕微鏡下でのマイクロサージェリー

脳神経外科手術の基本となる顕微鏡下手術では、解剖構造の3次元的把握のもとに精緻な操作で切開、剥離、縫合など、慎重に手術を進める技能が要求されます。周辺組織の損傷を抑えた鮮明な術野のもとで、0.1mm単位での手術操作を実践するには、臨床の現場での手術経験だけでは、容易ではありません。当院では、病棟に手術練習用の顕微鏡が完備されており、研修の隙間時間を利用してトレーニングを行うことで、実際の手術の前に、基本操作の修得が可能です。顕微鏡下手術手技の修得が加速されるため、研修開始早期から、顕微鏡下手術の術者としての修得機会が与えられます。熱意がある人には、常にチャンスがあり、脳卒中の技術認定医のもとで、手術を学ぶことができます。

本年度は、最新の外視鏡が導入される見通しで、顕微鏡と外視鏡を併用したハイブリッド・マイクロサージャリーの習得も期待できます。

研修中の修得目標 その1 開頭クリッピング術

くも膜下出血の原因である脳動脈瘤に対し、顕微鏡下で、動脈瘤を周辺の血管や脳組織から丁寧に剥離し、正常血管を温存して、チタン製のクリップで動脈瘤の頚部遮断し、瘤を閉塞させます。

脳動脈瘤に対する最も根治性の高い治療法です。

研修中の修得目標 その2 脳血管バイパス術

血管が狭窄して、脳血流が低下することで発生する、脳動脈硬化症や、もやもや病などの脳虚血性疾患に対し顕微鏡下に頭皮血管を脳血管に吻合して、脳血流の“バイパス経路”を作成して、血流を増加させる手術。直径 1mm~1.5mmの繊細な血管どうしを縫合する。

脳出血に対する最先端低侵襲手術:神経内視鏡手術

脳出血や脳室内出血に対して、穿頭または小開頭(直径2cm程)を行い、直視下に血腫の除去と止血を行う、内視鏡下血腫除去手術は、現在、開頭での血腫除去術と並び、修得すべき必須の手術です。内視鏡下にバイポーラーと吸引管を使用して手術をするので、顕微鏡手術の前段階のトレーニングに最適であり、手術時間も短く(1時間程度)、患者さんの術後の回復も速やかです。また、重症くも膜下出血に合併した脳内血腫、脳室内血腫に対しても、血管内治療による動脈瘤コイル塞栓術と内視鏡的血腫除去手術を併用することで、患者さんの負担を減らし、予後の改善に努めています。研修の間に、こうした神経内視鏡手術に、術者として参加し、技術を修得することは、今後の脳卒中診療で必須といえます。